封止技術

ハーメチックシールについて

ハーメチックシール(気密端子)は、導入端子(フィードスルー)として用いられる一方で、温度や湿度、圧力などの環境的な影響から内部の電子部品を保護するために使用されています。江東電気のハーメチックシールは、ガラスまたはセラミックスと金属を封着することで気密性を高めたパッケージで、密封された空間から電流・電気信号などを取り出します。当社は半世紀以上に及ぶハーメチックシールの設計開発・製造の経験を持っており、当社の技術はφ数ミリの微細な製品からφ100mmを超えるような大型のハーメチックシールにも対応しております。

ガラスと金属の封止技術(Glass to Metal Seal)

江東電気のガラスと金属の封止技術を用いた製品には、大きく分けて「整合封止型」と「圧縮封止型」の2種類があります。

①整合封止型

整合封止型はガラスの点移転温度から常温の温度範囲でガラスと金属の熱膨張係数がほぼ一致した組み合わせです。整合封止型では、金属の表面に強制的に酸化被膜を形成させて、その酸化被膜が接着剤として作用し封着します。幅広い温度領域において、金属とガラスの熱膨張係数が一致しているため、形状的な制限が少なく、比較的自由な設計が可能となっています。

②圧縮封止型

圧縮封止型では、ガラス及びピン材料よりも熱膨張係数が大きい材料を外筒金属に用いることにより、圧縮応力により気密性を保持する封止方法です。整合封止型に比べて製品形状に制限がありますが、機械的圧力や急激な温度変化などがあった場合でも、設計圧力を維持し、気密性を維持することが可能です。

気密性を保持するため、外筒金属の内径と外径は、理論上φD1/φD0 > 1.3の関係が必要となります。

Glass to Metal Sealの特徴

高い気密性 当社のハーメチックシール製品は、Heリークテストにて気密性を保証しており、常温・無負荷環境において、1x10-9Pa·m3/s 以下の気密性能を確保しております。
優れた電気絶縁性 標準状態での絶縁抵抗(100VDC印加時)は、100MΩを超える絶縁性を確保しています。
高い耐圧性 当社のハーメチックシール製品は、最大300Mpaの圧力に耐えるように設計可能です。
カスタムデザインに対応 当社は長年の経験で培われた高い技術力を基に、お客様のニーズに対応した様々な形状・材質の ハーメチックシールを製造しております。どうぞご気軽にご要望をお問い合わせください。

セラミックと金属の封止技術(Ceramic to Metal Seal)

江東電気のセラミックと金属の封止技術を用いた製品は、ガラス封着による製品と比べて、高周波損失が少ない、高温下での絶縁性が良い、熱衝撃に優れ、機械的強度がガラスより優れている等の利点があります。当社のセラミックと金属の封止技術を用いたハーメチックシール製品は、アルミナ(Al2O3)を絶縁材料として使用しており、特に過酷な環境下での信頼性が求められる防衛・航空宇宙産業の分野において、ご使用いただいております。

アルミナセラミックと金属は、基本的には直接接合することが出来ませんので、アルミナセラミックの接合面には、Mo-Mn・W(タングステン)などの高融点金属の焼き付け(メタライジング)を施し、更にその上に酸化防止を目的としてニッケルめっきが施されています。このような処理を行なうことにより、ろう付け法による金属との接合が可能となります。

ガラスプリフォーム

特長

お客様の要望に合わせて、様々な形状のガラスプリフォームを提供可能。厳しい工程管理(重量・形状管理)により、高精度な製品を提供いたします。

製法の概要

ガラスプリフォームは、自動プレス機で顆粒パウダーを任意の形状にプレスする工法によって製造されます。その後、2段階に分けて通炉作業を行ないます。
初めに、プリフォームを加熱し、ガラスを覆っているバインダーを揮発させます。
その後、さらに高温に加熱し、個々のガラス粒子の境界を軟化させ、相互に接合させます。
冷却後にプリフォームは固化しますが、全工程を通じてプリフォームはかなり収縮し、その最終形状となります

表面処理(めっき)

ハーメチックシールの材質は、主にスチール・鉄ニッケル合金などを使用しております。
お客様の要望により、耐食性以外に、接合および半田付けの適合性といった他の機能特性も追加されます。
これらの特性を保証するために、ガラス封止後に、めっき処理が必要となります。

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